こんにちわ、キョロスケです。週末は映画館に通い、週に2、3本のペースで新作映画を鑑賞することを趣味としている会社員です。
皆さんは、世界が変わるかもしれないと思ったニュースは何だったでしょうか。最近だとコロナ関連のニュースかもしれませんね。
私が少年だった1991年、共産主義の本丸であるソビエト連邦(ソ連)が崩壊するというニュースがありました。
今回紹介する映画は、これより更に30年ほど遡った1960年初頭のソ連を舞台にした作品「クーリエ:最高機密の運び屋」です。
当時の西側諸国と共産圏の様子を描きつつ、スパイとして活動する二人の男の友情を描いておりなかなか骨太な作品でした。
では、本作の見所や感想をお伝えしたいと思います(感想については、ネタバレを含みますので、未視聴でネタバレはNGの方はご注意下さい)。
あらすじ(未視聴者向け)
まず、本作のあらすじを簡単に紹介します。
イギリス人で東欧諸国に工業製品を卸すセールスマンのグレヴィル・ウィンは、ある日、政府の役人と名乗る二人の男女からソ連のモスクワに赴き、ソ連軍参謀本部情報総局(GRU)のペンコフスキーから軍事機密を持ち帰るようスパイの依頼をされる。
当初、この危険過ぎる依頼を断るウィンでしたが、世界戦争回避のためと男女の熱心な説得や自国を裏切ってまで情報提供を申し出るペンコフキーの説得もあり、ウィルは渋々彼らの協力を行います。
そして、ウィルはビジネスのためと家族に嘘を吐きながら、スパイ活動を続けます。その内、世界平和のためと信じ、危険な裏切り行為を続けるペンコフスキーとイデオロギーを超えた友情と信頼で結ばれていきます。
しかし、彼らの活動もお構いなく米ソ間の冷戦はより深刻な状況を迎え、世界は「人類史上、最も第三次世界大戦に近づいた13日間」と呼ばれるキューバ危機に直面します。
グレヴィルとペンコフスキーが、友情を深め、キューバ危機を回避しようとする様子を実話を基に描いたサスペンス作品となります。
登場人物
本作の主な登場人物達です。
グレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ):工業製品の卸しを生業とするイギリス人男性。
オレグ・ペンコフスキー(メラーブ・ニニッゼ):GRUに所属し、軍事機密を西側に提供することでソ連の暴走を止めようと意欲的に活動する男性。ウィンとは国の思想を超えた信頼関係を築く。
エミリー・ドノヴァン(レイチェル・ブロズナハン):CIAに所属する女性。グレヴィルにソ連へのスパイを依頼する。当初はグレヴィルとは一定の距離を置いていたが、彼らの窮地にあっては、積極的にサポートを行う。頭も切れて、すごくセクシーだと個人的に思いました。
シーラ(ジェシー・バックリー):グレヴィルの奥さん。スパイ活動により挙動が怪しくなるグレヴィルの様子を不審がる。
作品の見どころ
本作は、事実を基に描かれた作品であり、丁寧に描かれた1960年初頭の状況、登場人物のファッションや電話などの小物類に注目したいところです。
特にキューバ危機を迎え、米ソ間の緊張が高まる辺りの描写は観ていて、ハラハラする空気感の演出は見所です。
また、そういった世界情勢をバックに思想の異なるグレヴィルとペンコフスキーの二人が築き上げる友情とその結末といった展開にも注目したいところです。
過去に起きた事件であり、当時の人が何を感じたのかを知りたい人や思想の違う国に所属する二人の男の友情を楽しめる方にうってつけな作品になっていると思います。
感想(以下、既視聴者向け「ネタバレ注意」)
さて、上記の特徴を持った本作「クーリエ:最高機密の運び屋」ですが、視聴された皆さんはどんな感想を持ったでしょうか。
個人的には、グレヴィルのスパイ活動が軌道に乗るまでの順調な展開から、キューバ危機とペンコフスキーの亡命失敗を転換点として、一気に窮地に陥るグレヴィルとその帰還までとメリハリのあるストーリー展開がよかったです。
また、窮地に陥り、二人を引き裂こうとする尋問され続けようとも互いに信頼しあった、二人の強い友情も感動しました。
特に二人のスパイ活動がソ連側に警戒され始め、CIAやMI6もペンコフスキーのことをトカゲの尻尾切りのように見捨てようとする辺りは、グレヴィルとペンコフスキーの高まる不安感を観ている私も共有できる展開で心がざわつきました。
以上が「クーリエ:最高機密の運び屋」に関するキョロスケの感想となります。つらつらと拙い感想記事を紹介させていただきましたが、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。