映画の感想

【感想】映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」 黒木さん無双作品でした

こんにちわ、キョロスケです。週末は映画館に通い、週に2、3本のペースで新作映画を鑑賞することを趣味としている会社員です。

皆さんは上戸彩さん、斉藤工さんが主演の「昼顔 〜平日午後3時の恋人たち〜」(2014)というドラマはご存知でしょうか。

不倫を扱ったドラマで、観ていてドキドキする展開だったのを覚えています。

本ドラマは人気の高さから、その後に「昼顔」(2017)として映画化もされています。

しかし、不倫作品は、許されない行為ということもあり、ハラハラドキドキする展開の後に、最後はバッドエンドとなることが多いように思います。

今回は、そんな不倫を扱いつつもどこか最後はスカッと晴れやかな気持ちになる作品「先生、私の隣に座っていただけませんか?」の感想となります。

記事の前半は、あらすじ、登場人物や見所など、後半は、本作の感想を記載しています(感想は、ネタバレを含む場合がありますので、ネタバレNGの方はご注意下さい)。

あらすじ/STORY 

結婚5年目の夏。夫が不倫をした。それはよくある夫婦の出来事、のはずだった…。

漫画家・佐和子の新作漫画のテーマは…「不倫」

そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ、佐和子の担当編集者・千佳と不倫をしていた俊夫は、「もしかしたらバレたかもしれない!」と精神的に追い詰められていく。

さらに物語は、佐和子と自動車教習所の若い先生との淡い恋へ急展開。

この漫画は、完全な創作?ただの妄想?それとも俊夫の不貞に対する、佐和子流の復讐なのか!?

恐怖と嫉妬に震える俊夫は、やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく…

(公式サイト(https://www.phantom-film.com/watatona/)より引用 ©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会)
予告編(YouTube) ©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会

登場人物/キャスト/CAST 

早川佐和子(黒木華): 人気漫画家で俊夫の妻。連載していた作品を描き終え、次回作をどうするか考え始めていたところ、母が怪我したため、実家に俊夫と帰省する。

早川俊夫(柄本佑): 元漫画家で佐和子の旦那。スランプになり、漫画が描けなくなった以降、妻の佐和子のアシスタント業や家事を務める。

新谷歩(金子大地): 自動車教習所の先生。運転恐怖症だった佐和子を優しく指導する。

桜田千佳(奈緒): 佐和子の担当編集者。漫画家時代の俊夫も知っており、かつ大ファンでもある。

下條真由美(風吹ジュン): 佐和子の母親。足に怪我を負ってしまったことから、佐和子、俊夫の介護を受ける。

(公式サイト(https://www.phantom-film.com/watatona/)より引用 ©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会)

作品の見どころ 現実と虚構の狭間が揺らぐ演出

漫画家夫婦のW不倫

佐和子は、旦那の俊夫が担当編集者の千佳と不倫していることを知ります。

その事実を知った佐和子は、自分自身と教習所の新谷との不倫を描いた漫画の執筆に取り掛かります。

俊夫は、進展していく佐和子と新谷の関係を佐和子の描く不倫漫画をとおして、知ることになります。

これが現実なのか、創作なのかと観客は、俊夫と一緒に疑心暗鬼にさせていく演出が面白いです。

漫画にも力が入ってます

物語のポイントでもある現実とも創作とも判別できない漫画にも力が入っています。

漫画の一場面と現実シーンでの場面を上手く合わせるなど、演出面でもこだわっています。

また、作中では佐和子の描く漫画の他、俊夫の描く漫画と二人の漫画家さんを起用しています。

スランプに陥っている俊夫が描く漫画が、作中のどの場面で登場するのかも見どころです。

公式サイトより引用

感想(以下、「ネタバレ注意」) 女性が強い?

女性として編集者としてもブレない千佳

俊夫との不倫が、担当である佐和子にバレていると確信してもなお、佐和子の実家で俊夫とイチャつく千佳の図太さは、逆に清々しかったです。

また、次々と俊夫たちに送られてくる佐和子のネームに対して、純粋に漫画として面白いか、連載出来るかと自分達の立場と仕事を切り分けて評価する辺りもドライで強かな女性でした。

彼女の存在もあって、黙々と復讐を画策する佐和子によるドロドロした展開にならず、カラッとした不倫作品になったのではないかなぁと思いました。

一番謎だった新谷先生

自動車教習所の先生で、運転恐怖症の佐和子を優しく指導した新谷ですが、僕の中では彼が一番謎でした。

佐和子は元々感情を表にあまり出さないのですが、漫画を通して自分自身が思ったことを伝えているため、作中通して彼女の感情を知ることができます。

一方、新谷先生は現実世界に存在するものの、彼の様子や心情は佐和子の漫画を通して一方的にでしか受け取れません。

そのため、佐和子が新谷先生に好意を寄せた経緯は共感できるのですが、新谷先生がどうして佐和子に恋したのかが分からなかったです。

ラストに佐和子と相思相愛だったことが分かりますが、その経緯については観客の想像にお任せされているのかもしれません。

佐和子の復讐

感情があまり表に出ないため、実家での佐和子の様子は不気味で嫌な女といった一面がチラつきます。

俊夫の裏切りを思えば、そういった態度になるのも仕方ないのです。

その分、漫画の中の彼女は作品の絵柄もあり、イキイキとしています。

このギャップが、結構面白かったです。

そして彼女が、漫画を使って二人とも不倫していることを俊夫に伝えます。

そんな仕打ちを受けて翻弄される俊夫は、佐和子の復讐だと苛まれます。

しかし、後半で佐和子が俊夫に向かって「先生、私の隣に座っていただけませんか?」と彼にスランプ脱出の機会を与えるシーンで、彼女の思惑が徐々に明るみになります。

このシーンは、セリフに本作タイトルを突っ込んでくるなど、すごくキレがあって鳥肌ものでした。

そして最後に、新谷先生と二人で駆け落ちするだけに止まらず、スランプを脱した俊夫を作画担当として、佐和子自身の不倫生活を描かせるというとんでもない復讐をやり遂げます。

作品を振り返ってみると、黒木さん無双な作品でした。

最初から最後まで振り回されっぱなし

俊夫は、良くも悪くも相手が悪かったですね。

周りの女性が、強すぎたと思いました。

しかし、それをひがむこと無く、終始振り回されてしまったからこそ、本作は不倫作品としては、カラッとした結末に落ち着いたのかもしれません。

公式サイトより引用

以上が「先生、私の隣に座っていただけませんか?」に関するキョロスケの感想となります。つらつらと拙い感想記事を紹介させていただきましたが、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

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