こんにちわ、キョロスケです。週末は映画館に通い、週に2、3本のペースで新作映画を鑑賞することを趣味としている会社員です。
多くの恋愛を取り扱った作品の主演を演じる俳優さんは、登場人物をすごく魅力的になるよう演じられています。
そんな多くの恋愛作品の登場人物、俳優さんの中で私は、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016)に登場する少し泣き虫な女性、福寿愛美(小松菜奈)がすごく印象的です。
“ぼく明日”では、愛美に一目惚れした高寿(福士蒼汰)が彼女に告白し、付き合っていきます。しかし、彼女にはある秘密があり、二人の恋は予想もしなかった方向で結びつきます。
このため、再度“ぼく明日”を視聴すると何も知らなかった高寿の物語から愛美の高寿への優しい愛に溢れた作品だったと知ることができます。
そんな大好きな作品の愛美を演じるのは小松菜奈さんです。“ぼく明日”が素晴らしい作品に仕上がったのは、小松さんの力演が大きいと個人的に思っています。
今回は、私が注目している小松菜奈さんがW主演の一人として登場する「恋する寄生虫」の感想です。
記事の前半は、あらすじ、登場人物や見所など、後半は、本作の感想を記載しています(感想は、ネタバレを含む場合がありますので、ネタバレNGの方はご注意下さい)。
あらすじ/STORY
極度の潔癖症で人と関わることができずに生きてきた青年・高坂賢吾。
ある日、見知らぬ男から視線恐怖症で不登校の高校生・佐薙さなぎひじりと友だちになって面倒をみてほしい、という奇妙な依頼を受ける。
露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だったが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。
世界の終わりを願っていたはずの孤独な 2 人はやがて惹かれ合い、恋に落ちていくが—。
(HP(https://koi-kiseichu.jp)より引用 ©2021「恋する寄生虫」製作委員会)
登場人物/キャスト/CAST
高坂賢吾(林 遣都): 幼い頃に両親が自殺してしまった潔癖症の男性。そのため、世界から拒絶されたと感じており、そんな世界の終わりを望む。
佐薙ひじり(小松 菜奈): 視線恐怖症の女性。他人の視線を否定するため、世界を拒否する。
和泉(井浦 新): 瓜実の助手。高坂にひじりと友人になるよう依頼する。
瓜実(石橋 凌): ひじりの病を治療しようと研究を進めている男性。
作品の見どころ
多数のアーティストが参加する劇伴
「恋する寄生虫」では、音楽プロデューサー(山田勝也さん、小嶋翔太さん)がこだわってセレクトした13名ものアーティストが参加しており、劇伴も物語をより一層盛り上げています。
- Christian Fennesz
- 石若駿
- MIRRROR
- 明星/Akeboshi
- 白戸秀明
- Meirin(ZOMBIE-CHANG)
- 角鍋真実
- Cony Plankton(TAWINGS)
- Black Boboi
- Julia Shorteed
- 東京塩麹
- Sarah Hemi
- Miyu Hosoi
特にひじりが初登場するシーンで流れる劇伴が、クールで、彼女が自身の悩みを隠し強がっている様と上手くマッチしていると思いました。
その他の劇伴も場面ごとにマッチした選曲がされているので、注目してみるのも面白いと思います。
厨二病
高坂、ひじりその悩みは、自分自身と世界との関係にまで言及しており、厨二病っぽくもあります。しかし、二人の悩みは、実際に社会生活に支障をきたす程の問題となっています。
世界に拒否されていると心を病んでしまった二人が見る世界は、ビルが突如炎上したり、極端に目が大きな人々、手のひらやベッドが腐敗していく等かなり特殊です。
そんな二人がリハビリしつつ心を近づけていく様は、ただの恋愛作品と違った趣があり、面白かったです。
感想(以下、「ネタバレ注意」)
寄生虫はどこから?
作中には、フタゴムシという寄生虫の例えがあり、その例えのとおり共依存のような関係となりつつある二人の関係が描かれます。
そして、実際に二人の体には、宿主を社会不適合者にする寄生虫が宿っていることが分かります。
二人は、どこで寄生虫に感染したのでしょうか?
瓜実の話から察するに、ひじりは母親から受け継いだものと考えられます。
高坂の感染経路は、作中で明言されていなかったですが、両親が自殺しています。それが寄生虫によるものだとしたら、ひじり同様に両親から受け継いだと思われます。
この辺りは、観ていて、そうだったのかと前半の設定が後半に明らかになるように演出されていて面白かったです。
運命的出会いだったのか
惹かれ合う高坂とひじりは、それが寄生虫によるものであり、治療しなければ死んでしまうと瓜実達に説得されます。
しかし、これまで世界に拒否され続けてきた自分たちがやっと受け入れ合うことができ、愛しあうことまでに高まった気持ちまでも失うことを二人は頑なに拒否します。
この辺り、なかなか似たような経験を持たないので、理解するのが難しいのです。
しかし、ひじりはこれまでの強がっていた姿勢をかなぐり捨てて、自分の気持ちを素直に高坂に伝えるシーンは、彼女達の恐れをダイレクトに伝えていてすごく心に突き刺さりました。
・世界の終わり
作品当初からどこか生きることに対してはすに構えつつ死ぬまで楽しもうと生きている、ひじりは、高坂に惹かれて今の自分を失いたくないと瓜実達に抗うようになります。
このひじりの変化を小松菜奈さんの演技も含め、すごく上手く描いていたと思いました。
その後、治療を受け、二人の思い出を古ぼけた映像で思い返すのもニクイ演出だと感じました。
そんな二人がラストに世界の終わりを迎え、作品が終わりますが、これは二人の始まりになるんじゃないかと思いたい終わり方で良かったです。
以上が「恋する寄生虫」に関するキョロスケの感想となります。つらつらと拙い感想記事を紹介させていただきましたが、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。