こんにちわ、キョロスケです。週末は映画館に通い、週に2、3本のペースで新作映画を鑑賞することを趣味としている会社員です。
今回は、1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督の作品「CUBE」をリメイクした作品「CUBE 一度入ったら、最後」の感想です。
目が覚めると見知らぬ部屋にいた複数の男女が、部屋からの脱出を試みますが、どこまで行っても立方体状の部屋が続きます。
部屋には、人を死に至らしめるトラップ付きの部屋もあるなど不条理な設定の中、彼らはこの謎に満ちた部屋から脱出できるのでしょうか。
と、オリジナルの作品と同様の設定で進むため、オリジナルのCUBEを未見の方でも楽しめる作りとなっていました。
しかし、当時受けた衝撃やスリル感と比較してしまい、オリジナル版に比べて今一歩感が残る作品でした。
記事の前半は、あらすじ、登場人物や見所などを記載しました。
後半は、本作の感想を記載しています(感想は、ネタバレを含む場合がありますので、ネタバレNGの方はご注意下さい)。
あらすじ/STORY「立方体が集まっていて、更に大きな立方体になっていて…」
眼が覚めるとそこは謎の立方体=CUBEの中だった
突然閉じ込められた男女6人。
エンジニアの後藤裕一(菅田将暉)、団体職員の甲斐麻子(杏)、フリーターの越智真司(岡田将生)、中学生の宇野千陽(田代輝)、整備士の井手寛(斎藤工)、会社役員の安東和正(吉田鋼太郎)。
年齢も性別も職業も、彼らには何の接点もつながりもない。
理由もわからないまま、脱出を試みる彼らを、熱感知式レーザー、ワイヤースライサーや火炎噴射など、殺人的なトラップが次々と襲う。
仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。
体力と精神力の限界、極度の緊張と不安、そして徐々に表れていく人間の本性…
恐怖と不信感の中、終わりが見えない道のりを、それでも「生きる」ためにひたすら進んでいく。
果たして彼らは無事に脱出することができるのか?!
(HP(https://movies.shochiku.co.jp/cube/)より抜粋 ©2021「CUBE」製作委員会)
登場人物/キャスト/CAST 「あなた達、何者ですか?」
後藤裕一(菅田将暉):東京都出身。職業はエンジニア。家族構成は父親と弟の博人。頭脳明晰で、謎の部屋に閉じ込められたことを冷静に受け入れ、脱出の糸口を探る。5人に平等に接するが、中学生の千陽には特別な感情を抱くも本人は気づいていない。時間が経つにつれ、過去のトラウマと向きあうこととなる。
甲斐麻子(杏):出身地不明。職業は団体職員。家族構成は不明。非常に冷静沈着な性格で、自分のことはほとんど語らないので、一見何を考えているかよくわからない。冷たく見えがちだが、5人を見守ってる様子も垣間見える。
越智真司(岡田将生):千葉県出身。職業はフリーターでコンビニ勤務。家族構成は両親と妹。人見知りせず、人懐っこい性格ではあるが、パニックになりやすく変化に弱い。閉じ込められたことをなかなか受け入れられず、またそれを隠すこともできないので騒ぎ立てる。自分が世間から虐げられているという意識が強いので、権力者や年上が嫌い。
宇野千陽(田代輝):神奈川県出身。職業は中学生。家族構成は両親と弟。元々は明るい性格だったが、中学校で壮絶ないじめに遭い心を閉ざす。誰のことも信用せず、特に助けてくれない大人に強い嫌悪感を示す。後藤のことも最初は拒否していたが、少しずつ変化が起こっていく。
井手寛(斎藤工):福岡県出身。職業は整備士。家族構成は妻。責任感が強く、リーダーシップを取っていくタイプだが、時々暴走しがちで短絡的。6人の中で唯一部屋に閉じ込められる前の記憶があり、瀕死の妻のために出口を探すが、時間がなく非常に焦っている。
安東和正(吉田鋼太郎):愛知県出身。職業は広告代理店役員。家族構成は妻と娘。業界を渡り歩いてきたやり手のサラリーマンだが、出世するためには手段を選ばないため、敵も多い。心の奥底には罪の意識を抱えている。がむしゃらに働いてきたので、やる気のない若者や子供が嫌い。
©2021「CUBE」製作委員会
(HP(https://movies.shochiku.co.jp/cube/)より抜粋
作品の見どころ「大人は嫌いだ」
不気味だが、知性的なデザインが施された部屋
「CUBE 一度入ったら、最後」では、部屋のデザインがフラクタルを思わせる図形が刻まれ、作中で明らかになる数学的な要素がより強まっています。
これにより、ただただ不気味なだけだったCUBEに何かしらの意志のようなものが加わっているように感じました。
登場人物の共通点
CUBEに閉じ込められた人物達は出身、年齢、性別、職業と何もかもが異なります。
彼らが何故、CUBEに閉じ込められたのか。
彼らの共通点は何なのかという点も着目しながら観てみると面白いかもしれません。
感想(以下、「ネタバレ注意」)「これは何かの罰なのか?」
追加要素が入るもCUBE自体は謎の存在のまま
結局、彼らは何故集められたのか?
そもそもあの立方体は何のために、誰が作ったのか?
オリジナル同様、全く明らかにされません。
この観ている人を置いてけぼりにし、不安にしつつ、CUBEが不気味で謎の立方体が健在なのは良かったです。
社会の縮図?
これはナタリ監督のインタビューや別の方の感想を見て、なるほどなぁと思ったのですが、作中を通して、世代間の衝突が本作のキーワードの一つとなっています。
そういう意味では自己相似を意味するフラクタルをモチーフにした部屋のデザイン、構成は、閉じ込められた人々が属する社会の縮図になっているという構成はうまく引っ掛けているなぁと思いました(観ているときは全く気付きませんでしたが…)。
イマイチだった点
一部のトラップ発動のタイミングが、物語の展開に合わせたように発動するのは、無慈悲で残酷なCUBEの特徴にそぐわないように感じられ残念でした。
これはメンバーを分断するトラップ?も素数のなかった部屋だったのに、何でそんなルール違反みたいなことをするのかと首を傾げてしまいました。
©2021「CUBE」製作委員会
変化する人間模様
オリジナル版でも重点を置かれていた、閉鎖空間に閉じ込めらた人々の本性が徐々に露わになり、互いが衝突する展開は良かったです。
本作では世代間の衝突と観ている方も共感しやすいテーマだと思いました。
高齢化社会が進んでいる現代ならではというテーマだったと思います。
そういう意味では、もう少し登場人物に高齢者を加えても良かったのでは…と思ってしまいましたが。
©2021「CUBE」製作委員会
以上が「「CUBE 一度入ったら、最後」」に関するキョロスケの感想となります。つらつらと拙い感想記事を紹介させていただきましたが、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。