映画の感想

【感想】映画「護られなかった者たちへ」

こんにちわ、キョロスケです。週末は映画館に通い、週に2、3本のペースで新作映画を鑑賞することを趣味としている会社員です。

今回紹介する映画は、日本が抱える闇にスポットライトを当てた「護られなかった者たちへ」です。

では、キョロスケからみた本作の見所や感想をお伝えしたいと思います(感想については、ネタバレを含みますので、ネタバレNGの方はご注意下さい)。

あらすじ(未視聴者向け)

大まかなあらすじは次のとおりです。

東日本大震災が発災した直後の宮城県にて笘篠は家族を探すが見つからない。

同時期、避難所にて泰久は老婆のけい、少女のカンちゃんと出会う。

三人は身寄りの居ない者同士、身を寄り添い合うように親睦を深めていく。

9年後、宮城県内にて体を拘束され、餓死した被害者が見つかる。

笘篠ら捜査陣による鑑識の結果、福祉センターに務める三雲本人の死体だと判明する。

笘篠と蓮田は、福祉センターに赴き、三雲の部下である丸山とともに彼の職場や現場を捜査する。

そして、生活保護が抱える多くの課題を垣間見てしまう。

捜査を進める中、第二の被害者が同じように餓死した状態で発見される。

被害者らの共通点から、利根泰久が容疑者として捜査線上にあがってくる。

利根を追う笘篠らの捜査という現代パートと利根らが過ごした震災直後の過去パートが行き来しながら事件の真相を描いたミステリー作品となります。

予告編(YouTube)

登場人物/キャスト

本作の主な登場人物達です。

笘篠誠一郎(阿部寛):宮城県警の刑事。震災により妻と息子を失くしている。

利根泰久(佐藤健):震災時に心を閉ざしたが、けいとカンちゃんと出会い、徐々に人間らしさを取り戻す。しかし、ある事がきっかけで放火の罪を犯す。

遠島けい(倍賞美津子):震災時に泰久とカンちゃんを気にかける心優しい老婆。

カンちゃん(石井心咲):震災時に家族を失うも泰久とけいに出会い、孤独だった状況から救い出される。

三雲忠勝(永山瑛太):第一の被害者。若葉区保健福祉センターに務めており、周囲からは善人と評判だった。

丸山幹子(清原果耶):三雲の直属の部下であり、若葉区保険福祉センターに務める女性。生活保護の実態を知り、何とかしたいと日々苦闘している。

城之内猛(緒形直人):過去に三雲と同じ保険福祉事務所に勤めていた。第二の被害者として発見される。

上崎岳大(吉岡秀隆):過去に三雲と同じ保険福祉事務所に勤めていた。現在、国会議員として活動中。

蓮田智彦(林遣都):笘篠のバディとして事件の捜査にあたる。田舎刑事であることが苦痛であり、笘篠によく愚痴をこぼす。

作品の見どころ

沢山ある本作の見所の内、私が特に推したいのは次の点です。

  • 震災直後と現在を行き来する物語展開

本作「護られなかった者たちへ」は東日本大震災が起きた直後の過去パートとその9年後となる現在パートが交互に進展していきます。

過去パートでは泰久がけいとカンちゃんと親交を深め、復興に向かって、泰久が前を向き始める様が描かれます。

そして、現在パートでは笘篠が日本の福祉が抱える問題に直面しつつも、事件の真相を捜査していく様が描かれていきます。

この二つのパートの展開により、隠された共通項が明らかになると、事件の真相が具体的な形を持って現れてくるという面白い構成になっています。

また、本作のタイトルでもある、護られなかった者たちが何を指すのかですが、作中結末で明らかになります。

しかし、個人的には色々な「護られなかった人たち」が、登場したと思います。

震災被害により亡くなった方、生き残ったものの様々な困難に直面し、困窮している方などです。

彼らを通して、今後、自分たちは何ができるのかといったことを考えさせられる点も本作の見所だと思います。

感想(以下、既視聴者向け「ネタバレ注意」)

さて、以上の特徴を持つ本作「護られなかった者たちへ」ですが、視聴された皆さんはどんな感想を持ったでしょうか。

個人的に印象的だったのは次の点です。

  • けいさんとの別れ
  • 黄色い服の子供

事件解明に向けた現代パートも話を終わらせるために必要なのですが、そもそも事件の発端となった過去パートで起きた悲劇の方が、インパクトが大きく、印象に残りやすい構成になっていると思いました。

特に泰久の心を開いたけいさんとカンちゃんとの交流は、観ている方も心があったまる感じです。

それが、けいさんが経済的に困窮し、会わないと決めた娘のために生活保護を辞退し他界してしまう下りは非常に悲しかったです。

そこからの、物語終盤の出てくるけいさんの遺言は、涙腺を大きく刺激します。

この辺りは、映画の予告編を観ていた時から、涙腺を崩壊させてくるやつだなと分かってはいましたが、それでも涙を誘う作品でした。

物語は序盤で、笘篠と泰久は避難所の階段にて接触するところから始まりましたが、ラストで二人が会話するシーンで、泰久が、あの日に黄色い服の男の子を助けられなかったことを告白します。

だから、同じ色の服を着ていたカンちゃんを守ろうと決意したと泰久は付け加えます。

確かに、泰久が避難所でカンちゃんをいきなり守り始めるのは違和感があったので、そうだったのかと納得しました。

また、無関係に近いと思われた笘篠と泰久も笘篠の息子という点でラストに繫がりがあったことが明らかになるのは、上手い構成だなぁと思います。

以上が「護られなかった者たちへ」に関するキョロスケの感想となります。つらつらと拙い感想記事を紹介させていただきましたが、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

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