映画の感想

【感想】映画「老後の資金がありません!」でも心配ありません

こんにちわ、キョロスケです。週末は映画館に通い、週に2、3本のペースで新作映画を鑑賞することを趣味としている会社員です。

今回は、老後の資金確保に向けて家計のやりくりに奔走する主婦を取り扱ったコメディ作品「老後の資金がありません!」の感想です。

日本では年金問題が話題になり、それに絡んで老後の資金には2000万円が必要と騒がれて久しい昨今です、私も老後の生活が心配になっている今日この頃です。

しかし、老後に向けてどんな出費があるのか、またそれぞれの出費は、どのくらいの額となるのか分からないまま社会生活を送っているのが、現状です。

そんな心配を具体的に描きつつ、笑い飛ばしてくれる本作は、垣谷美雨さんが2011年に執筆した作品「老後の資金がありません」を原作に基づき作られています。

50代に入った夫婦とその家族を中心に、老後の資金に関する話題をコミカルなテイストで絡めつつ、前田哲監督の手により、お金も大事なだけど人の絆の大切さが描かれていました。

記事の前半は、あらすじ、登場人物や見所などを記載しました。

後半は、本作の感想を記載しています(感想は、ネタバレを含む場合がありますので、ネタバレNGの方はご注意下さい)。

あらすじ/STORY 

主婦・後藤篤子(天海祐希)は、困っていた。

家計は妻に任せきりの夫・章(松重豊)の給料と篤子がパートで稼いだお金をやりくりして、フリーターの娘・まゆみ(新川優愛)と、大学4年生の息子・勇人(瀬戸利樹)を育て上げた。

節約をモットーに、自分に許した小さな贅沢と言えば、月謝5000円のヨガ教室程度。

憧れのブランドバッグも我慢して、老後の資金をコツコツと貯めてきた……はずなのに!

身の丈に合っていたはずの篤子の生活が、突如綻び始めたのだ。

入院していた舅の今際の際に、章の妹・志津子(若村麻由美)から喪主を押しつけられ、葬儀代400万円近くを支払うことに。

折しも、密かに正社員登用を期待していたパート先をリストラ。なかなか次の仕事が見つからないところに、まゆみが結婚相手を連れて来た。

年収150万円のバンドマン・琢磨(加藤諒)は、地方実業家の御曹司につき、芸能人御用達の式場での盛大な披露宴を希望しているという。

しかも費用は両家の折半で、最低でも300万円負担することに。

700万近くあった貯金があっという間に底をついてしまいそうな、後藤家大不況の中、章の会社がまさかの倒産!?

住宅ローン完済の当てにしていた退職金は当然0円。結婚30周年目前、夫婦そろって失職するハメに。

篤子の銭闘はなおも続く。金銭感覚が麻痺しそうになりながらも、自動車の売却やレンタルモップの解約など、家計のダウンサイジングを次々と断行。

しかし篤子の努力もむなしく、出費はかさむばかりだ。

いよいよ毎月9万円の姑・芳乃(草笛光子)への仕送りさえ捻出できなくなった篤子は、志津子夫婦との話し合いの席で、芳乃を引き取ると口走ってしまう。

やむなく姑との同居がスタートするも、元・老舗和菓子屋女将は超がつくほどの浪費家だった…!芳乃の豪快な金遣いに、貯金はいよいよ0円が目の前に迫る勢いになってきた頃、今度はいきなり「生前葬をする」と言い出した!? ありとあらゆるお金の問題に振り回されてきた篤子の我慢は、ついにピークに達する!! 果たして篤子は、この絶体絶命のピンチを切り抜けることができるのか?!

(HP(https://rougo-noshikin.jp/index.html#)より抜粋 ©2021映画『老後の資金がありません!』製作委員会)
予告編(YouTube) ©2021映画『老後の資金がありません!』製作委員会

登場人物/キャスト/CAST 

後藤篤子(天海祐希):夫と二人の子供と共に生活する50代の主婦。パートに勤めながら家計のやりくりに奮闘するが、義父の死を皮切りに出費が続く家計のやりくりを何とかしようと奮闘する。しかし、義母との同居生活により、お金だけでなく義母にも振り回される日々が始まります。

後藤芳乃(草笛光子):章の母であり、篤子の義母にあたる。浅草の老舗和菓子屋を切り盛りしていた頃の習慣のためか、浪費癖があり、後藤家の家計を圧迫してくる。しかし、江戸っ子気質な一面があり、篤子の親友サツキの悩みにも文字通り体を張って、解決を図るなど憎めない人柄の持ち主。

後藤章(重松豊):篤子の旦那で、後藤家の長男。細かな事は他人任せにしがちで、頼まれごとは断れない性格のため、父親のお葬式の喪主を引き受けることとなる。

後藤まゆみ(新川優愛):篤子と章の長女。突然、彼氏との結婚することと妊娠の事実を告白し、火の車状態になりつつある後藤家の家計は更に炎上する。

後藤勇人(瀬戸利樹):後藤家の末っ子で大学生。

松平琢磨(加藤諒):まゆみの結婚相手でバンドマン。かなり独特なヘビーメタルを歌うが、有名な実業家の御曹司であったため、彼の両親とともに豪華な披露宴を後藤家に提案する。

櫻井志津子(志村麻由美):章の妹。これまで両親のケアにかかる費用を負担してきており、篤子、章夫妻と母芳乃の今後について意見が対立する。

作品の見どころ 

あれよあれよと減っていく貯金額

義父のお葬式、娘の披露宴や義母のための仕送り費と作品冒頭から出費が重なり、後藤家の貯金額は最初の700万円からどんどん目減りしていきます。

しかも篤子は、バイトの契約更新が行われず、失職してしまい収入が激減します。それに追い打ちをかけるように、将来の収入として当てにしていた章の退職金も会社の倒産という惨事に巻き込まれ、手に入らなくなってしまいます。

この辺り、当の篤子にとっては大変なのですが、将来起こる出費の項目やその額が出てきて勉強になるなぁと思ってしまいました。

違った生活スタイル

災難続きの後藤家ですが、篤子と章は、章の新たな仕事先で知り合った同僚がシェアハウスに住んでいる事を知り、家は家族で住むものという従来の概念と異なる生活スタイルがある事を知ります。

大切な家族と一緒に過ごす事も大事ですが、子供達が巣立ち、親の介護を終えた二人がどのようなに穏やかで幸せな老後を過ごしていくのかという事も考えさせる作品でした。

多彩なキャスト

後藤家の面々だけでなく、篤子の親友に柴田理恵さんから葬儀屋の友近さん、ヨガ教室講師のクリス松村さん、区役所員の三谷幸喜さんと幅広いキャスト陣を揃えた本作。

みなさんが各々楽しそうに演技しており、お金の工面に苦労している話を扱っているのに、どのシーンもどこか明るい雰囲気となっていました。

感想(以下、「ネタバレ注意」) 

ヨガ教室での世間話

物語の合間に入るヨガ教室のシーンで、篤子はサツキに愚痴を語りながら現状報告をします。それに相槌を打つようにサツキが答える形で会話をするのですが、これが世間話的に会話をしつつ、これまでのシーンのおさらいの役目を果たしていて、自然な流れで物語の流れが確認できるようにしていたのが面白かったです。

冒頭のお葬式で大金を払った篤子に対して、サツキはこじんまりと少額で済ませたと答えている辺りは、葬式も身の丈にあったやり方があるよという答え合わせ的なところもあって勉強になりました。

篤子と志津子との家族会議

芳乃の介護費用をどうするかについて、篤子夫妻と志津子夫妻が激突する家族会議のシーンですが、どちらも泣き落としにかかり、両方の旦那だけがアタフタと右往左往してしまう流れは思わず吹き出してしまいました。

それにしてもケアマンションって高いんですね…。

やっぱり人の絆が大事

本作、お金より家族の絆が大事と思わせて終わるように思えますが、生前葬での芳乃と篤子の繋がりを見た志津子の心変わりにより、篤子たちは芳乃を志津子の元に送り出した後、シェアハウスに移り住みます。

彼女たちは、老後資金を安定させつつ人との繋がりがもてる場所としてシェアハウスを選んだわけです。

シェアハウスでは、血の繋がらない他人同士が衣食住を共にし、生活する場ですが、個人的には、本作と同じく前田哲監督作品で血の繋がらない親子を描いた「そして、バトンは渡された」にも通ずる価値観が示されているように感じられ面白かったです。

以上が「老後の資金がありません!」に関するキョロスケの感想となります。つらつらと拙い感想記事を紹介させていただきましたが、今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

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